この本の最大の特徴

これは会計の教科書ではなく、「会計を知らずに経営に飛び込んだ男が、泥臭い実践の中で辿り着いた原理原則の記録」です。27歳で京セラを創業した稲盛氏は、当初まったく会計の知識を持っていませんでした。だからこそ、法定耐用年数や慣習的な会計処理を鵜呑みにせず、「人間として何が正しいか」という一点から会計のあり方を問い直し続けました。その結果生まれた7つの原則は、バブル崩壊後の日本において特に光を放ち、25年以上経った今も色褪せない普遍性を持ちます。

著者からのメッセージ

「物事の判断に当たっては、常にその本質に遡ること、そして人間としての基本的なモラル、良心に基づいて判断することが最も重要である。どんな些細なことも、原理原則に遡って徹底して考える。このことは、経営の要といえる会計の領域においても全く同じである」

経営のための会計学——7つの実践的原則

第1章:キャッシュベースで経営する ——「勘定合って銭足らず」を防ぐ。土俵の真ん中で相撲をとる

第2章:一対一の対応を貫く ——モノとお金の動きを伝票と完全に一致させる。モラルの根拠としての会計

第3章:筋肉質の経営に徹する ——中古品で我慢する。固定費の増加を警戒し、投機は行わない

第4章:完璧主義を貫く ——100%達成でなければゼロと同じ。マクロとミクロの両面を見る

第5章:ダブルチェックによって会社と人を守る ——人に罪をつくらせない。内部統制の思想

第6章:採算の向上を支える ——時間当り採算制度とアメーバ経営の実際

第7章:ガラス張りの経営を貫く ——透明性こそが組織の信頼をつくる

核となるメッセージ

・「売上を最大に、経費を最小に」——これが経営の原点 ・「値決めは経営」——売り値を誰が決めるかで会社の命運が変わる ・「額に汗して稼いだものしか利益ではない」——投機による利益は真の利益ではない ・「会計がわからんで経営ができるか」——経営者自身が会計を理解することが不可欠

読者の声

「22年前の書籍だが、全く古さを感じない素晴らしい本」 「経理担当者のバイブルとなる本。実学のためにある」 「数百円という安い出費でこれだけの価値あることを学べる」 一方で「内部統制を語りながら、一部に矛盾を感じる箇所もある」という声も

こんな人におすすめ

✓ 会計を学んだことがなく、現場感覚で経営している経営者 ✓ 経理・財務担当者として、数字の本質的な意味を問い直したい方 ✓ バブル経済のような環境で判断を誤らないための軸を持ちたい方 ✓ 稲盛和夫の経営哲学を「会計」という具体的な切り口から理解したい方 ✓ アメーバ経営の思想的背景を知りたい方 ✓ 「人間として正しい経営とは何か」を根本から考えたいすべての経営者

この本の真価

この本の真価は、会計の知識を増やすことではなく、経営者としての「判断軸」を手に入れることにあります。法律や慣習に従うだけでは見えない、お金の本質と経営の本質が、稲盛氏の実体験を通じて語られます。読むたびに自分の経営への姿勢を問い直させられる、節目ごとに手に取るべき一冊です。

経営者でなくても使える

タイトルに「経営と会計」とありますが、「働く者として、会社の中で動くお金に実感を持っているか」という問いは、すべてのビジネスパーソンに刺さります。自分の仕事が会社の採算にどう関わっているかを意識するきっかけとして、経営者以外にも広く読まれている一冊です。

500円で手に入る、経営の原理原則

定価500円余りという文庫の価格でありながら、京セラ・KDDI・JALという三つの組織で結果を出し続けた稲盛氏の経営哲学の核心に触れることができます。「経営のカリスマ」が実践から導き出した原則は、どんな時代にも、どんな規模の会社にも通用する普遍的な内容です。

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Amazon 稲盛和夫の実学―経営と会計

ページ数

194ページ

出版社

日本経済新聞出版

発売日

2000/11/7

著者

稲盛 和夫

著者プロフィール

1932年、鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業後、1959年に京都セラミック株式会社(現・京セラ)を設立。社長・会長を経て名誉会長に就任。1984年には第二電電(現・KDDI)を設立。2010年には経営破綻した日本航空の会長に就任し、わずか2年余りで再上場を果たすという奇跡の再建を成し遂げた。「アメーバ経営」の提唱者として知られ、稲盛財団を通じて「京都賞」を創設するなど、経済・文化・社会への貢献は多岐にわたる。2022年8月逝去。

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